脱酸素剤

巨大な三笠山 奈良の知人がやってきて、お土産に巨大な三笠山(どら焼き)をもらった。賞味期限はあと2週間ほどあるから、お腹の空いている時に食べよう。おやつには食べきれない量だ。

 袋の中に脱酸素剤が入っている。これは学生時代に商品化すると面白そうだ、と実験をしたものだ。
 酸素と反応すれば食品は長持ちするだろうことは予想がついた。酸素と反応しやすく、安価、安全なものは鉄粉であろうこともすぐ見当が付き、それを容器内に入れ、酸素の吸収速度を調べた。なかなか酸素はくっ付いてくれない。鉄粉の表面が不動態化しているからである。
 それならば、不動態化したものを破壊するものは何か。それは食塩であろうことも分かった。塩水と接触すると鉄は錆びやすいのは明白だ。塩水を少し含ませて放置すると錆びていくが、まだまだ反応速度が小さい。そこで行き詰って止まっていた。
 1年が経ち、冬になると面白い商品が出て来た。使い捨てカイロであった。分解すると鉄粉、塩、炭素が入っていた。
 なるほどと思った。炭素は電気を通じるから、電子の移動を助け、表面積が大きいから有利であろう。

 それならば、脱酸素剤にも使えると思ったが、当然のことながら、すでに特許が申請されていた。脱酸素剤の開発は単純であったが、その後の袋の開発には苦労したらしい。
 酸素が通らない袋を探さねばならないからだ。最近は各種の袋があり、極めて高性能である。しかもある方向に引き裂きやすいから(異方性があるという)、袋を指でも開けられる。こういうものは日本で非常によく発達した。アメリカに行くと袋を開けるには、ナイフかはさみが必要である。
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