亜鉛の効用

 先日医師の友人たちと会った。その時出た話題である。

 亜鉛欠乏症が起こるとどうなるか、ということだった。日本は海に囲まれていて、海産物を取るので、あまりこの種の話には縁がないのだそうだ。しかし諸外国では、亜鉛がほとんど含まれない土壌を持つ地域がある。そこでは亜鉛欠乏症が起こる。身長が伸びなかったり、ありとあらゆる点で異常を起こすのだそうだ。

 作物の生育にも影響がある。特にマメ科の植物には大切らしい。筆者がアメリカの農家で聞いた話である。このことは筆者の本にも書いてある。
 灌漑用水を送るパイプを鉄管からプラスティック製に取り替えたのだそうだ。そうしたら、大豆が全くの不作で、収穫できなかったらしい。その次も同じであった。そこで農夫は考えた。その前の年と何が違ったのだろうと。

 どう考えても違いは、配水パイプだけだ。そこで再度古い鉄管に水を通し、灌漑した。すると大豆は例年通りの収穫であったそうだ。鉄管には亜鉛メッキが施してあった。亜鉛が溶けて、鉄の腐食を防いでいた。いわゆる犠牲電極である。
 ずいぶん錆びていたので、再度プラスティック製に戻し、塩化亜鉛の水溶液を灌漑用水に足して、散布した。その年の収穫は例年通りになった。

 亜鉛は、タンパク質の合成に大きな影響を持つ酵素の、活性点にある元素らしい。海水には多少含まれているので、海産物を食べていれば、あまりその補給には注意を払う必要はない。但し、何かの薬を飲むとこの症状が出ることがある。その薬が、金属イオンとキレートを作り易い場合だ。このあたりのことは、最近分かってきたことらしい。
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コメント

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こんにちは

現在病院勤めをしております。
亜鉛欠乏というと有名なのが味覚障害ですが
味覚障害がある患者の血中亜鉛濃度を測定しても
亜鉛の値が低かったことは記憶にありません。
海産物のことを書いていらっしゃるとおりなんでしょうね。
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