軟膏とクリーム

アンテベート 2種 冬の乾燥期になると、体がかゆくなる体質である。昼間は我慢しているが、夜間は睡眠中に掻くのだろう。朝になると血だらけということもある。皮膚科に行ってステロイド系の塗り薬アンテベートを処方された。
 アンテベートには軟膏(油性)とクリーム(水性)の2種があることが分かった。まさにバターとクリームの違いである。コーヒーにバターは溶けないが、クリームは溶けるという、あれである。

 前者は水には溶けない。が後者は水に溶ける。後者をしばらく空気に触れさせておくと、水が蒸発して油状のものになる。

 最近はインターネットで様々なことが分かるので、読んでいると興味深い事例にぶつかった。医者の知識不足で油性と水性の二つを混ぜて使うように指示を出されたという話である。バターとクリームを混ぜるとどうなるだろうということである。

 化学の勉強が足らないまま、世の中に出て、失敗を犯す良い例であろう。おそらくこの種の間違いは多いと思う。

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コチニール

 このブログの最初の方にカイガラムシの色素のことを書いた。この記事は、当ブログの人気記事で、アクセス数が一番多かったと記憶している。
 なんでも天然物であれば、合成物より安全な筈と思っている人は多い。赤い合成色素は種々あるが、食品には、この色素”コチニール”が使われていると高級品なのであろう、と思われてきた。合成色素は発癌性があると忌み嫌われてきたが、その検証方法の是非の論議や、新色素の開発などについてはあまり情報が無い。

 カイガラムシの類をつぶすと赤い汁が出る。大きく育てて乾かし、アルコールで抽出したものがコチニールである。あの独特の濃い赤は、他の色素では得難いもので、鉄道車輛、自動車にも使われてきた歴史がある。

 さて、最近小耳にはさんだ話だが、口紅にも使われているのだそうだ。それが本当に安全なのかという疑問である。合成物ではないから、虫のタンパク質が含まれていないとは言えない。ある種のタンパク質、ペプチドは、場合によっては極端なアレルギィを起こすことが分かっている。記憶に新しいところでは茶のしずく事件がある。

 コチニール由来のタンパク質がどれほどのものか、は分かっていないが、今後報告があるかもしれない。合成物の方の安全性が優位になる日が来るのかもしれない。

脱酸素剤

巨大な三笠山 奈良の知人がやってきて、お土産に巨大な三笠山(どら焼き)をもらった。賞味期限はあと2週間ほどあるから、お腹の空いている時に食べよう。おやつには食べきれない量だ。

 袋の中に脱酸素剤が入っている。これは学生時代に商品化すると面白そうだ、と実験をしたものだ。
 酸素と反応すれば食品は長持ちするだろうことは予想がついた。酸素と反応しやすく、安価、安全なものは鉄粉であろうこともすぐ見当が付き、それを容器内に入れ、酸素の吸収速度を調べた。なかなか酸素はくっ付いてくれない。鉄粉の表面が不動態化しているからである。
 それならば、不動態化したものを破壊するものは何か。それは食塩であろうことも分かった。塩水と接触すると鉄は錆びやすいのは明白だ。塩水を少し含ませて放置すると錆びていくが、まだまだ反応速度が小さい。そこで行き詰って止まっていた。
 1年が経ち、冬になると面白い商品が出て来た。使い捨てカイロであった。分解すると鉄粉、塩、炭素が入っていた。
 なるほどと思った。炭素は電気を通じるから、電子の移動を助け、表面積が大きいから有利であろう。

 それならば、脱酸素剤にも使えると思ったが、当然のことながら、すでに特許が申請されていた。脱酸素剤の開発は単純であったが、その後の袋の開発には苦労したらしい。
 酸素が通らない袋を探さねばならないからだ。最近は各種の袋があり、極めて高性能である。しかもある方向に引き裂きやすいから(異方性があるという)、袋を指でも開けられる。こういうものは日本で非常によく発達した。アメリカに行くと袋を開けるには、ナイフかはさみが必要である。

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