首里城の火事

 原因がよく分かっていないようだ。火の気がなく、電源も切ってあったし、侵入者も居ないとなると自然発火しかないのだろうか。

 自宅の家具は殆どがアメリカでつくらせたものだ。アメリカの景気が最低で、日本の景気が最高に良かった時代に、家具屋に注文して引っ越しの時に持ち帰った。日本にはない硬い樫の木のムク材で出来ている。非常に安かった。

 その製作途中にその家具屋の工房に見に行った。色付けにはオイルステインというものを使っている。乾性油(二重結合の多い脂肪酸を含み、鉛化合物を触媒として固まりやすくしている)に、細かい顔料を分散させたもので、木目に浸み込み適度な色を付けるものだ。それを刷毛でたっぷり塗って浸み込ませ、1時間後に余分を拭き取って固める。それに上塗り塗料を塗るのだ。

 拭き取ったオイルステインは、ぼろきれの中で酸素と反応する。反応速度はかなり大きいので、ボロ布を丸めておくと、ぶすぶすと煙が出て来る。熱くなる。必ず開いてぶら下げ、空気との接触面積を大きくしておかないと熱が逃げない。あるいはそのまま燃やしてしまうのが安全だ。

 首里城ではキリ油を使っていたそうだ。キリ油とベンガラ(酸化鉄の顔料)を練ったものを塗ったという。
 キリ油には二重結合が多い。完全に乾いて固まるまでは発熱する。その場所にその種のものが置いてあった可能性は無いだろうか。

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知覚過敏

 左の下の奥歯が沁みるようになった。冷たい水を飲むと、のけぞるくらい沁みる。こんな事は初めてで、歯医者に行った。
 たまたま患者の少ない日らしく、先生は丁寧に診察してくださった。歯の一本ずつに冷たい空気(高圧の空気が噴き出ると、断熱膨張で冷たくなる)を当て、こちらの反応をうかがっている。下の歯すべてを検査したが、何もおかしなことは無い。次に上の歯を調べる。
 上の左奥から二本目に冷たい空気を当てた瞬間に、うわっと声を上げるくらい沁みた。先生は、「これですね。下の歯と上の歯を勘違いすることはよくあります。」とおっしゃる。まさかとは思ったが本当である。

 家で、冷水を口に含み、沁みる歯を指で押さえて確かめて来たのに、このざまである。歯の神経はそのあたりで交差している場合があるそうで、珍しいことではないと、おっしゃる。そういえば昔の生徒さんで歯科医になったのが何人か居る。その中の一人が、「患者の中で上下を間違えるのが居るんですよ。患者の言うことは信用できないから、全部調べるんです。」と言っていたことを思い出した。
 そんな馬鹿な、きっとボケ老人だろう、とまで思っていたが、現実に自分の歯で起こると愕然とした。ある程度の確率で、起こることだそうだ。あるいは自分がボケているのか。

 診察の結果は知覚過敏で、歯には悪いところはないそうで、歯石を取ってもらって帰った。歯の隙間がたくさん空いて風が良く通る。知覚過敏はガムによって引き起こされることが多いそうだ。
 そういえば、その痛みが起きる直前に、長距離の自動車運転をした。眠気防止にガムを数十個噛んだ。それが原因だそうだ。
 ガムは噛みやすい方の歯で噛むべきだそうだ。噛みにくい方で噛むと歯が横に動き、神経を刺激するとのことだ。噛み合わせの試験をして下さったが、一部横に動いたのではないかとおっしゃる。その状態の噛み合わせが良くなるように、ホンのちょっと削ってもらったら、ガムが噛みやすくなった。

 歯科医はこんな事まで面倒を見てくれるのかと、嬉しくなってしまった。

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