カテーテル

 最近、友人が心臓付近の血管が細くて、心筋梗塞を起こしたと聞いた。病院でカテーテルを使って手首からステント(血管を広げるコイル状のもの)を入れる手術をしたのだが、とても無理でそれは諦めた。結局次の日に脇から入れる手術をしてそれは成功したのだが、請求額が2倍近く多かったと聞いた。
 医師の友人にそのことを聞いたら、とんでもないことを教えてくれた。カテーテルは1本80万円もするものだそうだ。それほど難しい構造をしているわけではない。細いパイプの中を複数のワイヤ、パイプ等が通り、組織をつまんだり、切ったり、膨らませたりする風船などが付いている。輸入品で独占企業であって、厚生労働省のお墨付きがあるので、価格は高く、代替品がない。即ち市場原理がない。しかもそれが1回きりの使い捨てだそうだ。

 病院では医療廃棄物として大量に捨てられているとのこと。再生できないのかと聞くと、特殊な処理をするので、それはとても高く、なおかつ、これまた役所のお墨付きのあるところでないとしてはいけないそうだ。変な話である。

 40年ほど前、内視鏡で胃の中を覗かれた。当時はそれが太く、のどを通すのがとても難しく、また痛かった。技術革新でとても細くなり、鼻から入れるので、話もできる。最近はTVカメラを使っているのでますます細くなったようだ。
 内視鏡登場後、ある病気が内視鏡検査をした人に連続して発生したようだ。調査結果は内視鏡に付着したものが、次の人に感染源として移ったことが分かった。即ち、洗い方が完璧ではなかったのだ。
 それで登場したのが内視鏡洗浄機である。これがとても高かったらしい。内視鏡本体よりも高い位であったそうだ。これの登場後、その種の感染はなくなったという。

 カテーテルも洗えるはずだ。洗って機能を確認して、包装するくらいそれほど難しいとは思えない。もちろん破損することもあるから、全部が再生できるわけでないだろうが、実現できれば安くなるはずだ。保険でカバーされているから、一般人はこの不合理に気が付きにくい。

 医療費は国家予算の何割かを占める時代になった。その数パーセントがこのカテーテルによるという試算もある。科学者の努力で、このような無駄をなくしたいものだ。 

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リチウムイオン電池

 ノーベル賞(ノベールの方が正しいという説もある)で日本人が受賞することになった。世の中にここまで浸透しているから、当然ではある。筆者の自動車もそれで動いている。

 この電池が出てきたとき、理屈が判然としなかった。様々な本を読んでもリチウム電池は載っていたがリチウムイオン電池の説明は数行だけという時代が続いた。授業で触れなければならないので、情報を求めてかなり調べた。
 分かったことはリチウムイオンの名の通り、Liのイオンは酸化数が変化しない。ただ、それが移動して電極の電荷が増えたり減ったりすることだ。これが化学電池に相当するのか、かなり悩んだ。物理で習うコンデンサ(本当はキャパシタが正しい)みたいなもののようにも思えた。

 キャパシタは充放電の時間が短く、短絡すれば膨大な電流が流れて導線が焼け切れるほどだ。それとも違う。
 充電によってLiイオンが移動する。即ち電荷均衡を保つために陽イオンが電極材料にはまり込むのである。放電すれば、Liイオンは移動して、元に戻ろうとする。この説明をすると、生徒さんはよく理解する。

 電極物質がLiイオンを抱え込んで、ある種の安定状態になることがミソだ。それはLiイオンの大きさがとても小さいからだ。Naイオンは安いが、大き過ぎてうまく行かない。しかし、きっとNaイオンでも働く物質を見つけ出せる日が来るだろう。もう一つのノーベル賞が来るかもしれない。


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