淡水湖

 船は南米のコロンビアまで行って、半日留まり、その間外に出た。南米は行きにくいと諦めていたが、思わぬチャンスでその地を踏むことができた。
 その後、パナマ運河を通る。26 mほどの落差を階段式の閘門という装置を通って登る。
一段で12 mもの落差を昇るところがあって、興奮した。外の高い照明灯が、見る間に眼下に見えるようになる。全く振動もなく、動いていることがわからない。
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 登ったところは Lake Gatun である。ガトゥン湖は人口湖でダムで堰き止めてある。旧地形の谷を船が行くが、途中、山を崩して切り取った隘路を通る。第一次世界大戦前にこのような大規模工事を疫病に悩まされながらも成し遂げたことは、素晴らしいことだ。病気のもとは蚊である。広大な地域の蚊を撲滅することに成功したのだそうだ。大したものは使っていない。ある種の油を撒いたのだ。蚊の親油性部分に付着するから生きていけなくなる。
 当然のことながら、湖水は淡水である。密度が小さいから、船の喫水は深くなる。熱帯雨林だから、水は十分にあるのだが、それでも節水を心掛けている。閘門を通るとき、閘室に入った時に注水して、水面を等しくして船が進む。その後、水を捨てて次の船を入れるのだから、あまり頻度が多いと湖面が下がる可能性があるらしい。小さな船はたくさん入れて、一度で処理する。

 その水が海に流れ込むところを見ていた。海水は多少の濁りがある。プランクトンは当然のことながら親水性だから、沈降しない。そこに淡水が流れ込む。淡水は粘土を主体とする疎水性コロイドだから、海に入ると沈降するだろう。混ざった瞬間の写真を撮った。
 おそらく、このあたりには非常に細かい沈降物が堆積し、非常に良い魚介類の棲み処になっているはずだ。
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 先回の大陸横断鉄道の謎は解けた。パナマ地峡 Panama Isthmus には、世界で最初の大陸横断鉄道があった。勝海舟らも乗った。むしろ、inter-oceanic railroad 太洋間鉄道というべきなのだろう。こんなに狭くても、アメリカ大陸の一部であるから、世界で最も短い大陸横断鉄道であることが間違いかと言われると、そうではないと答えざるを得ない。
 その鉄道を船から全線眺めることができる。せいぜい80 km弱の長さだ。この鉄道は、非常に高額な運賃を取った。1860年当時で25ドルだったそうだ。これしかないので、乗らねばならないのだ。世界で最も儲かった鉄道会社だったらしい。今はその区間を観光列車が走っている。運賃は25ドルだそうだ。貨物列車も走っている。不思議なことにコンテナをたくさん積んでいる。
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 その理由は、運河の喫水が制限されているので、コンテナなどを雑に積むと、船が傾いて底を擦る可能性があるからだ。通過する前に重いものを取り除いて陸送する必要があるということだ。

 パナマ運河というものは意外にデリケートなものである。通行量は船の大きさによって決まる。旅客船は乗客の数によって決まるそうだ。小さいヨットなどは安いようだが、ある程度まとめてしか入れてもらえないようだ。
 過去一番安かった通行料は、泳いで渡った冒険家で36セントだったと、案内映画で言っていた。 
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客船に乗る

  所用でアメリカに来ている。そのせいもあってブログの更新が遅れている。
  用事が済んだあと、フロリダの友人を訪ねた。そこにしばらく居候する予定であったが、彼が思わぬことを言い出した。
  船会社にコネクションがあるらしく、「まもなく出航する大型客船にキャンセルで出た空室が有る。一緒に行かないか?君の好きな大陸横断鉄道も見られるよ。」という、わけのわからない話であった。意外な安値であったので、賛成して同行することにした。

  港に行くと、巨大な客船が4隻泊まっていて、その中の最大の船に乗った。こういう経験は初めてで戸惑ったが、要するに動く巨大な高級ホテルである。劇場もプールもバーもあり、食堂では高級なフランス料理が自由に食べられる。食べ過ぎると健康に良くない。

  部屋はシティホテルの部屋ほどの大きさで、シャワーが付いている。その水が純水(脱イオン水)なので驚いた。30年程前に乗ったフェリィの水は臭く、顔を洗っただけで気分が悪くなった。飲み水は、ガラスタンクに入ったものを汲んで飲んだ。
  この船の水は全て海水を半透膜で濾過して作っているのだ。試しに眼鏡を洗ってそのまま乾燥した。全く水滴の跡がつかない。プールの水も同様で、それをオゾン殺菌している。
  2,100人もの乗客と800人の乗組員が必要とする水は2000トン/日ほどである。この排水も処理しなければならない。おそらく船内に巨大な汚水処理施設を装備しているのだろう。昨今の情勢から考えると、汚水をそのまま流すことは考えられないからだ。

   少量の石鹸でよく泡が立ち、顔を洗った時の感触が全く異なる。皮膚の表面には皮脂があり、それが多少加水分解されて、薄い脂肪酸の膜ができている。それと水道水中のカルシウムイオンが反応するので、微量の脂肪酸カルシウムが析出し、明らかにザラつきが生じるのをいつも感じていた。今回は違う。温水だけで顔を洗っても明らかにキレイになる。皮脂は、多少の親水性を持つので溶けるのだ。試しに、温水シャワーを数分浴びただけで、鼻の脂はどこかに行ってしまった。純水のシャワーは素晴らしい。

  実は筆者の家を建てる時、唯一失敗したのが、その水処理であった。アメリカ製のイオン交換樹脂を設置するのを忘れたのだ。アメリカでは硬水が普通なので、そういうものは安く売っていた。

  今回の経験で、急にその水処理装置が欲しくなった。

続 シャンプーとリンス

  筆者の子供の頃は、シャンプーという物はなかった。石鹸で頭を洗っていたのだ。そのうちに粉末のシャンプーが現れ、もう少しすると、リンスという物が出て来た。
  早速混ぜてみたが、訳のわからないものができた。陽イオンと、陰イオンが結び付いて塩のようなものができたのだ。

  リンスの使用法を読むと、手桶に湯を汲み、そこにリンスを溶かす。それを頭髪に掛ける。これを二度やると良いとあった。やってみたが、一回目と二回目では差がなかった。電気的に結びつくのだから、リンス成分が十分過剰であることは今なら理解できるが、中学生の頭ではよくわからなかった。これが日本中で行われたわけで、洗剤メーカーは、二倍の売り上げを得たわけだ。いまでも2回やらなければいけないと信じている人は多いようだ。

  その後しばらく平穏であったが、例のリンス入りシャンプーの事件でいろいろな問題があぶり出されたのだ。化学の正しい知識を持っている人は、手にした瞬間に怪しいとわかるものではあったが、大半の購買者は分かるすべもない。

  その後、リンス in シャンプーというのが出て来た。流石に懲りているはずだから、インチキはないだろうとは思った。使ってみると、油は落ちるし、多少のリンス効果もあった。しかし高い。たくさん使わないと良い結果が出ない。理屈は、先回のコメントにある記事を読まれると分かるように時間差を使っているが、効率は良くない。

  どうして、シャンプーとリンスを2回に分けて使うのがそんなに嫌なのだろうか。人生の中の大切な時間であると考える人は稀なのであろうか。筆者はいつも楽しいと感じている。
  湯に溶かすよりも、少量を手に取り、広げて髪の毛になすりつけると簡単で、無駄が少ない。

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