キレート剤

 亜鉛に関してはいくつか連絡を戴いた。薬学関係の方からは、細かいところまで教えてくださっている。一部を紹介する。
 
亜鉛欠乏になるのはキレート作用のある薬剤を長期服用したときに特に問題です。
亜鉛欠乏による味覚障害をきたす薬剤で主なものは、
D-ペニシラミン、L-ドーパがあげられます。
D-ペニシラミンを例に挙げると、
チオール基、カルボキシル基、アミノ基を持っていますが、
亜鉛とはチオール基、アミノ基と結合し、2座配位子となるようです。 
血液中の亜鉛は約8割が赤血球、約2割が血清中、約3%が血小板白血球にあるため、亜鉛欠乏していても溶血血清では見かけ上値は高値になるようです。

 少々難しい言葉があるが、言わんとするところは分かるだろう。

 キレートは複数の配位能力のある配位子で、たいていは5員環を作る。金属イオンを挟むように結合する。配位能力のある部分が4つあれば4座、6つあれば6座という。

 このあたりの言葉は古さを感じさせる。もう英語で化学を勉強する時期が来ているのに、日本ではなかなか進まない。中国、韓国、台湾などでは自国語で化学を勉強する人は既に少なくなってきた。先日台湾に行ったとき、本屋で化学のセクションに行って、それを強く感じた。最近の高等学校の教科書には単語だけ英語で書いてあるが、教える人がそれを理解しているかどうかは怪しい。しばらく前に書いたテレフタル酸の”テレ”に気が付くだろうか。
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亜鉛の効用

 先日医師の友人たちと会った。その時出た話題である。

 亜鉛欠乏症が起こるとどうなるか、ということだった。日本は海に囲まれていて、海産物を取るので、あまりこの種の話には縁がないのだそうだ。しかし諸外国では、亜鉛がほとんど含まれない土壌を持つ地域がある。そこでは亜鉛欠乏症が起こる。身長が伸びなかったり、ありとあらゆる点で異常を起こすのだそうだ。

 作物の生育にも影響がある。特にマメ科の植物には大切らしい。筆者がアメリカの農家で聞いた話である。このことは筆者の本にも書いてある。
 灌漑用水を送るパイプを鉄管からプラスティック製に取り替えたのだそうだ。そうしたら、大豆が全くの不作で、収穫できなかったらしい。その次も同じであった。そこで農夫は考えた。その前の年と何が違ったのだろうと。

 どう考えても違いは、配水パイプだけだ。そこで再度古い鉄管に水を通し、灌漑した。すると大豆は例年通りの収穫であったそうだ。鉄管には亜鉛メッキが施してあった。亜鉛が溶けて、鉄の腐食を防いでいた。いわゆる犠牲電極である。
 ずいぶん錆びていたので、再度プラスティック製に戻し、塩化亜鉛の水溶液を灌漑用水に足して、散布した。その年の収穫は例年通りになった。

 亜鉛は、タンパク質の合成に大きな影響を持つ酵素の、活性点にある元素らしい。海水には多少含まれているので、海産物を食べていれば、あまりその補給には注意を払う必要はない。但し、何かの薬を飲むとこの症状が出ることがある。その薬が、金属イオンとキレートを作り易い場合だ。このあたりのことは、最近分かってきたことらしい。

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