暑いですね

 暑さでどうかなりそうだ。庭の犬も熱中症になりかけたので、水で冷やした。散歩に出かける前と後は、十分に水を掛けて濡らしてやる。最初は嫌がっていても、このごろは嬉しそうにしている。どんなに暑くても湿度が100%でなければ、水が蒸発するので何とかなる。

 さて、親族が中東の某国に転勤することになった。最近経済的に発展している国である。出発に当たって、何か注意すべきことは無いかと問われたので、気候を調べると、とんでもない数値が出て来た。暑いのは分かるが、湿度が異常に高い。ひどい時は48℃、湿度100%とある。これには驚いた。沸かしたての風呂の蓋と水面との隙間みたいなものである。
 これでは生きていけない。

 体温より高い気温で飽和蒸気圧に達していれば、体表部では水の凝縮が起こり、蒸発熱が放出される。即ち、蒸し器の中のようなものだ。体温を下げるどころか、熱が外から供給されて、死に至る。
 久々にエントロピーのことを考えた。常温で水が蒸発するのはエントロピーが増大する方向(なるべく拡散してでたらめな状態になること)に向かうからだ。逆に行かせようとすると、どこかで大量のエネルギーを生み出し(その場所では燃焼などによりエントロピーが極端に増大する)、そのエネルギーである小さな空間のエントロピーを減少させる。これがエアコンなどの根本原理である。エントロピーを小さくできるのは人間だけである。人間がいなければ、この地球はごく自然にエントロピーが増大し、荒れ果てたものになるだろう。

 その国は、夏は人工的な環境の中でしか生活できないのだ。エアコンがあると言っても、その電力を作り出している発電設備は外国から買ったものだ。そのメンテナンスをしている人間も外国人が多いらしい。当然、発電設備は2系統以上あって、非常時に備えているとは思うが、すべて故障するということもありうる。
 そうなったらどうなるのだろう。メンテナンスをする人間が逃げ出してしまったら、住環境のエントロピーは増大する一方だ。 

 この話をしたら、非常に深刻な顔をした。「どうしたらよいですか。」と聞く。幸い彼は工学部出身者でエントロピーの話は分かる。
 生き延びる方法はないから、逃げるしかない。いつも冷凍庫に氷をたくさん作っておくこと。車のガソリンタンクはいつも満タンにしておくこと。それで空港まで行って、外国に逃げるしかないと言うと、急に晴ればれとした顔になった。

 考えてみれば、月世界の基地に住んでいるようなものだ。そこから出たら死んでしまう。何とも不合理なところに街を作ったものである。



 ブログの更新が滞っているのは良くないと、お叱りを受けた。定期的な発行を心掛ける。原則として月2回更新としたい。
 
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ダイヤモンド・ディスク

 親しい土建屋の友人から質問があった。

 コンクリートを切る時、直径15 cm程度のダイヤモンドを付けたディスクで切るのだそうだ。厚さ 5 cm程度ならすぐ切れてしまう。ディスクもほとんど減らない。
 ところが鉄筋(直径9.5 mm)をついでに切ると、ダイヤモンドが減りやすいという。その理由が知りたいのだそうだ。

 硬さだけから言うと、コンクリートの中の石とか砂は二酸化ケイ素が主成分だから、かなり硬い。鉄筋はそれほどでもない。何か違うのかというと、それはダイヤモンドと反応するか、しないかである。
 摩擦熱で鉄は赤熱し、ダイヤモンドと接触する。すると、鉄と炭素は反応しやすくなる。こうしてダイヤモンドは化学的に消耗する。砥石でできたディスクで切れば、鉄筋はたちまち切断される。摩擦熱で酸素と反応して燃えるのと、こすれてどこかに飛んでいくのとの両方だ。

 水を掛けたらどうかとも聞かれたが、赤熱する時は水は消し飛んでいるからダメだろう。
水中に浸したらどうかとも聞かれたが、現実問題としては極めて難しい。水の中で高速回転すると水は飛んで行ってしまう。実際にやってみると、水中でも火花が散っているから同じだ。

 この問題は3年ほど前、名古屋工業大学でも出題されている。現場では知っておくべきことなのだろう。

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