「水素タウン」への杞憂

 新年早々、東京オリンピックを機に、その辺り一帯を水素タウンにするという新聞記事が出た。どこまで本気なのかはわからぬが、いわゆるチョウチン記事の類である。
 何か景気の良い話を載せたいという気持ちはわからぬでもないが、それを推進しようとしている政治家も、新聞記者も、水素の性質についてはほとんど何も理解していないことがよくわかる記事であった。バスのように大きな自動車をを水素燃料電池化するのは難しいことではない。
 その記事では、パイプラインで水素を送り、各施設で燃料電池を作動させて温水も供給すると言っている。そこだけは評価する。
 と言うのは、燃料電池の効率はせいぜい60%台なので、温水排熱を有効利用して初めて意味がある。そういう点で自動車には適さないものなのだ。特に夏のエアコンを必要とする時期は、熱を捨てる以外方法がない。
 
 問題はパイプラインである。はたしてどの程度の漏れを見込んでいるのか、その時にパイプが水素を吸ってどのように変化するのかを調べたのかが全く発表されていない。政治家は、見かけの良い話だから力を入れるだろうが、実はいろいろな点で問題がある。効率が悪すぎるのである。
 また、いまだに脱炭素社会と云う幻想に取りつかれている人たちが多過ぎる。二酸化炭素濃度と地球温暖化には相関がないことが明らかにされている。しかも、二酸化炭素濃度が大きいと穀物の収穫量が増えることは証明されているが、これについては誰も言わない。
 
 先にも述べたが、水素を遠距離運ぶのは非常に難しい。仮に、この水素タウンが見かけ上成功して、それを拡大しようと考える人が増えると、破綻するだろう。このプロジェクトを進めるに当たっては、それを事前に言わないと問題は大きくなる。
 
 先週、アメリカのテスラ車の社長が、水素燃料電池を自動車に積むことに対する懸念を発表した。彼らはよく見ている。
「燃料電池車で必要となる水素ガスを作るのに要するエネルギーは、燃料電池から得られるエネルギーよりも多いし、水素ガスの貯蔵や輸送も困難だ。」
 全くその通りである。筆者は燃料電池ではなく、マグネシウムを空気で酸化して電力を得る方法を評価している。マグネシウムをペレットあるいはテープ状にして、順に繰り出して電解液中で酸化すれば強力な電池になり、それは還元して再度使える。排熱も少ないし、触媒も要らないはずだ。
 
 東京オリンピック後は、水素化の熱は急速に冷めると、筆者はみている。このようなことのために税金を使うのは、納税者のためになることなのだろうか。
 
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