漏水

 親戚の家に行ったところ、たまたま水道の検針が来て、紙を置いて行った。ちらりと見ると、妙に多い。我が家の4倍だ。やや大きな家だし、離れもあるからそんなものかと思ったが、人数が少ないのに、と合点がいかない。
 そのことを話すと、そうかもしれないという顔をする。この15年くらいこの金額を払っているが、それが多すぎることにようやく気がついたのだ。
 
 全部の水栓を閉めてメータを見ると、わずかに流れているのがわかる。親しい水道屋の友人に話すと、来てくれた。長くて細い金属棒(聴音棒)を地面に突き刺し、それに耳を当てて音を聞く。
 プロは大したもので、1時間くらいで水漏れ個所を特定した。
 
イメージ 1
 コンクリートを割って穴を掘ると、中はびしょびしょで水がたまる。普通の家なら地面が湿るからわかるが、砂地であって擁壁で囲われているので、漏れた水はどこかに流れて行ってしまう。だから土台が傾くと云う事もなかった。
「多分、ここの継ぎ手で漏れている。」
と言う。その部分を切り外して見せてくれた。確かに、ほんの少しのヒビが入り、水漏れしていた形跡が見える。
「こんな継ぎ手は割れやすいものなんだろうか?」と聞くと、
「いや、最近のワンレバー型の水栓のせいだよ。」と言う。
 
 昔の水栓はネジ式で、徐々に締まるようにできていた。たくさん出ている水もじわっと押さえ込まれて止まる。その時、水の速度は徐々に小さくなっていたのだ。
 ところがワンレバー式になると、レバーをひょいと操作するだけで、瞬時に止まる。その時動いていた水は急停止する。質量を持った水がある速度で移動していて、それが極めて短い時間に停止すると、大きな力積(インパクト )を与える。これが、ウォーター・ハンマと呼ばれる現象である。
 昔は鉄管による配管であったので、水を急に止めると、ガンという音がしたのだ。これを繰り返すと、配管が壊れてしまう。ポリ塩化ビニル管は多少の弾力があるので、そのガンという音はあまりしない。しかし、衝撃には弱い。このような使い方をすると、たちまちどこかが割れてしまう。パイプは形が均一で割れにくいが、継ぎ手は割れやすいのだそうだ。 
 
イメージ 2
 筆者の住宅には、その種の使い方をしても配管に影響を与えない工夫がなされている。水栓の下には、分岐を設け、空気室 Air Chamber を付けてある。これさえあれば、どんな止め方をしてもまったく問題ない。衝撃は空気が吸収する。エアクッションなのだ。
 アメリカでは常識になっているこの部品は水道工事の時に一言言えばすぐにつけてもらえるはずだ。価格も知れている。せいぜい部品代は数百円以下である。筆者は温水配管にも付けたので、それは銅管をロウ付けしたものを作って渡した。ロウ付けとはハンダ付けより堅い高融点の合金で接合することである。
 水道水の中には空気が含まれているので、図のような構造にすれば、空気室には常に空気が入っていることになる。
 
 竣工以来20年以上も、我が家は無事故である。この方式を広めたい。
スポンサーサイト



プロフィール

7obac9z0f3sv

Author:7obac9z0f3sv
FC2ブログへようこそ!

検索フォーム

ブロとも申請フォーム

QRコード

QR