山師

 現代日本語では山師というのはあまり良い言葉ではない。投機的な事業で大もうけをねらうペテン師のような響きである。江戸時代はそうではなかった。鉱山経営の請負師で、世襲の鉱山経営者であって治外法権も持っていた。鉱山に逃げ込むと、奉行所も手出しが出来なかったそうだ。
 山師は英語ではprospectorと言う。この言葉は、「先を見る者」という意味であるから、なかなか良い意味である。西部開拓時代には、鉱山探しが非常に盛んであった。金鉱探しが盛んに行われた。

 筆者は、若いころに友人によく言われた。「君の前世はきっとprospectorだったろう」と。確かに、地面から出てくる物には異常な関心を示す。鉱山跡の探索は大好きだし、現在掘っているところは、出来る限り見学する。

 昔の人はどうやって鉱山を探し当てたのだろう。露頭(鉱石が地面に現れているところ)を見つけ出せればよいが、植物が繁茂していると、探しにくい。
 指標植物というものがあるのだ。地中の元素の影響で、特殊な植物が育つのだ。有名なのは苔である。銅鉱山には、銅を好む苔やシダが多いことが分かっている。日本で明治末に見つかったホンモンジゴケ(本門寺苔)は、銅葺きの屋根を持つ寺社の庭に見つかったのであるが、のちに世界中の銅鉱山で同類が見つかっている。
 不思議なのは金山を見つける時に参考になるヘビノネゴザ(蛇の寝御座)というシダ(漢字では羊歯と書く)である。金そのものはイオンにはならないが、金鉱石に派生する種々の金属元素を根や葉に蓄えるのである。このような植物が金属元素を好む理由は良く分かっていないようだが、面白いものである。

 また、上流に金鉱山があると、河原に生えている草の根に砂金が引っ掛かるのである。昔、金沢の犀川の河原を調べたことがあるが、確かにあった。2時間くらい探して20mg程度見つかった。これでは生計を立てるわけにはいかないが、昔は金が取れた証拠である。上流にダムがなければ可能性はあるだろう。

 地名に金が付くところ、金沢、金谷などは金山のあった場所である。神奈川もそうかもしれない。
 

<プラグマティック化学の理論編の完成が近付いています。予定では9月末でしたが、少し遅れました。

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