大気圧

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 標高の高い地点に行った。持って行った非常食の袋がパンパンに膨れ上がったのが面白く、写真を撮っておいた。上の写真が標高2000m付近、下の方が標高600m付近で撮ったものである。

 ついでに持って行ったポテトチップスの袋も、風船の様に膨らんで固くなった。下手をすると袋は破裂しそうだった。2000mでは大気圧は8割を切るようになり、同温と仮定すれば、気体の体積は1/0.8=1.25倍以上となる。この時水の沸点は94℃となり、米がうまく炊けない。

 学生時代に、米は一体何℃で炊けるのかを調べたことがある。精密な温度計の付いた電気炉中でビーカーに入れた米と水を蓋をして加熱する。
 その結論は、95℃なら問題なく美味しいご飯が炊けるが、94℃ではどんなに頑張っても芯のあるご飯になって食べられないということであった。95℃は標高1800m付近の沸点である。
 日本人は、ふつう標高1800m以下に住んでいるので、誰でもご飯は炊けることになる。標高2000m以上の集落はまずない。
 富山県の室堂というところは標高2400mであるから、そこの立山ホテルのご飯は圧力釜で炊いているはずだ。ここが日本で一番高い集落だと思う。標高2000m以上では植生が異なり、木が少なくなって岩肌が出て来る。

 日本とは異なり、大陸では2000m以上に住んでいる人はいくらでもいる。アメリカの大陸分水嶺近くに居た日本人の友人を訪ねた時にもその話題が出て、「圧力釜が無いとご飯は炊けない」と言っていた。もし地球の大気圧が2割ほど少なかったと仮定すると、我々はご飯を食べられなかった可能性が高い。寿司などという食べ物はこの世に存在しなかっただろう。米は炒るか、油で揚げるかしか調理法が無かったはずだ。

 昔アメリカに居た時、比較的標高の高い地域に住んでいた。大体1300m付近だ。近くのスポーツ用品店でテニスボールを買った。その缶には見慣れぬ文字が印刷してあった。"high altitude"とあったのだ。要するに標高の高い、すなわち低圧地域専用ボールであった。ボールの中に封入してある空気の量がやや少ないのである。 よそで買ったものは、堅過ぎて調子が悪かった。
 たくさん買った残りを日本に持ち帰ったら、缶の封を開けたばかりなのに妙に軟らかく、使えなかった。

 アメリカのコロラド州デンヴァーという都市の標高は1600mで、そこにある野球場ではホームランが出やすいという評判であった。空気が薄いと空気の抵抗も少ないらしい。野茂は、その野球場でノーヒット・ノーランを記録しているからこそすごいのだ、という解説を読んだことがある。
 デンヴァー空港の滑走路はアメリカで一番長いそうだ。翼に当たる空気が少なく、揚力が得られにくいからだ。確かに着陸する飛行機が異常に低いところを飛んでいて、その進入角の小ささには驚いたことを覚えている。

 20年ほど前のある大学の入試問題に、「大気圧は700mmHgとする。」というのがあった。一瞬760mmHgの誤植ではないかと思ったが、そこに書いてある実験の手順を読むと沸騰水に漬けて98℃を保つとある。なかなか良い問題であった。大気圧から計算すると、標高は約620mとなる。
 さてどこの大学であろうか。日本で一番高いところにある大学である。
 

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