最密充填構造

 空間中で多数の剛体球が最も近接して存在できるのは、一つの球に12個接触している時である。
その結晶中の排列は二通りあって、立方最密格子と六方最密構造である。いずれも平面上で周りに6個、上に3個、下に3個ある。上の層と下の層が異なる位相の時は立方細密格子であり、同一の時は六方細密構造である。
 ここの部分の教え方は工夫が居る。筆者は二次元モデルと三次元モデルを持って行き、後者には穴があいている部分がある事を示す。すると前者とは違って二種の層から成ることが体感できる。
 最密充填構造の充填率は74%であって、この値についてはみな納得する。

 さて、最密でない体心立方構造の充填率は計算上68%である。生徒さんはこれが不思議らしい。
どうして最密でない構造が許されるのだろうという質問者が多いのだ。

 この値は剛体球での計算値であって、実際の原子とはいささか異なる。種々の計算値が発表されていて、実際の体心立方格子の金属単体の結晶中、原子の占める率は71~74%という数値が多い。
 これは何を物語っているのだろう。

 金属結晶中、原子の形、正確には金属イオンの形は球体ではないということだ。隣の原子と接触する部分が少し食い込むだろう。すると安定化する。もしこの食い込みが無ければ、結晶は不安定になるだろうと推測するのは容易だ。

 六方最密構造の金属単体は硬くて脆いものが多いのは、結晶格子を眺めた時に、滑り面の数が少ないからである。面心立方格子(立方細密構造)であれば、滑り面はいくらでもあり、自由に形を変えること(展性・延性)がある。

(註)上記文中で「排列」と書いたが、これは間違いではない。「排す」は並べるという意味があり、本来は「配列」よりも、むしろこれを書くべきなのである。

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