煖炉(だんろ)

イメージ 1

 最近、煖炉とか薪ストーヴが人気を集めているようだ。化石燃料を使わないで植物に由来する燃料(バイオマスという)を燃やすので、二酸化炭素排出量は差し引きゼロということになる。薪は空気中の二酸化炭素を吸収して出来た物であるから、それを燃やして再度空気中に放出するだけなのである。結局のところは太陽のエネルギィが濃縮されたものを放出させているに過ぎない。しかし、二酸化炭素によって地球が温暖化しているかどうかは、極めて怪しい。


 アメリカで生活すると、煖炉が実に身近にあることに気付く。ほとんどの家庭に煖炉があり、収穫祭
Thanksgiving Dayやクリスマスには家族がその前に集まって過ごす。しかし普段の生活ではあまり使わない。都市部では薪を買わねばならないのと、灰の始末が面倒だからだ。

 灰が出ない天然ガスを燃料として燃やす"gas log"というものが最近のはやりだ。セラミックスで出来た薪(log)の下から、天然ガスを放出し、それに火を付ける。薪はいかにも燃えていますという形をしている。それがガスの火で炙られ、赤外線を放出する。前に居るとかなり暖かい。排気ガスは細い煙突を通して屋外に捨てられるが、短時間なら室内に入っても問題ないだろう。
 その炎は薪が燃えたときのような色をしている。炎色反応である。カリウム塩とナトリウム塩、それとカルシウム塩を含ませてあるに違いない。ほどほどのオレンジ色と僅かの赤紫色が入り混じった良い色である。セラミックの薪の下にはロックウールの断片があり、それは灰のような感じである。ガスはその隙間から拡散して燃えるので、灰の中から赤くなった炭がチラチラと見えるようで良い感じである。
 20年前の製品と比べると格段の進歩で、よほど注意しないと本物の薪と見紛う。もちろんいつまでたっても灰にならずに形が保たれるのは当然である。

 筆者の自宅には本物の煖炉がある。ひと冬に薪を1トンほど燃やす。住宅地の中なので、火の粉が飛ぶと大問題である。もし御近所でボヤでもあれば、たちまち容疑者にされかねない。
「雨の日しか燃やしていません」と事前に宣伝し、大雨の日には少し火の粉を出すと納得してもらえる。薪は、夏の間にあちこちに目を配り、調達しておく。街路樹が台風で倒れたら市役所に連絡して一本丸々貰ってしまったり、道路のノリ面の雑木を刈り払っている業者が居たら声を掛けると、自宅まで持って来てくれる。向こうも仕事が減って助かるのだ。 

 天気の良い日は大きな窓から入る太陽熱を床に蓄え、夜間の熱源とする。この様な住宅ををパッシヴ・ソーラ・ハウスPassive Solar Houseという。大きな集熱器を用いるアクティヴではなく、窓からのみの消極的集熱である。
 家全体の断熱がかなり良いのでこの方法でも十分である。断熱は良いに越したことはないが、あまり良くする必要もない。12時間持てば良いのだ。朝は必ずやってくるから、夜間の寒さをしのげればよいわけだ。天候の良くないときだけ、エアコンで熱を補うが、ほとんど太陽光で賄える。
 雨の日は上記の煖炉が活躍する。数kgの薪を2時間ごとに入れれば、家じゅうが温かい。この燃焼に用いる空気は外気を用いているところが大切だ。よく見るのは室内の空気で燃焼させるタイプだ。それでは煖炉の前は暖かいが、遠くの部屋は寒くなる。空気は遠くの部屋の隙間から入って来るからである。外気の一部を燃焼に用い、その残りを室内の空気と混合してから熱交換機で暖めて室内に噴き出させる、というのが最も賢い方法である。そのような方式の煖炉は、当家以外ではまず見ないのは残念だ。

 当家を新築した当時の市の建築主事とのやり取りを思い出す。
 スイス製の高効率の超安全設計の据付け式煖炉を為替の関係でアメリカ経由で安く買い、役所に申請書類を出したところ、木造家屋には煖炉を置くことを認めないと言うのだ。 
 彼は鉄筋コンクリート製住宅なら認めるが、木造住宅の壁に接触させての設置は駄目だという。スイス大使館商務部に連絡して、安全性の証明を得て助けてもらったのだが、役所は図面を「装飾煖炉、装飾煙突」と書き直せと言うのだ。この煖炉は可燃物に接触させてて設置しても火事にならないという性能保証付きなのにそれを理解できない頭の持ち主なのだ。
 彼の強要する言い回しは、万一事故が起きた時、「俺は知らぬ。火を付けるとは思わなかった。」という言い訳をするためだ。事故が起こらないという確実な証明があるのにそれを無視したのだ。
「先進国の安全証明があるのにもかかわらず、後進国の小役人が法律に基づかない権限を振りかざして輸入・使用を邪魔するのは、『関税外障壁』であって、それは国際問題となり、新聞に載ればあなたの地位は危うくなるぞ。」と言うと急におとなしくなり、「だれにも言わないでください。」と承認のハンコを押した。当時は貿易収支不均衡の解消を各国が日本に強力に申し入れていた時期だった。「外圧」は意外に有効であった。

 この役人には客観性のかけらもない。威張りたがる人は、小心者であるということだ。

スポンサーサイト



宝くじ

 最近、某W大学で欠席者に合格通知が来てしまったというニュースがあった。

 20年ほど前のことだから、すでに時効だろうから書こう。ある生徒が「宝くじに当たりました。」と言ってきた。
 その某大学に願書を出したものの、急に自信が無くなり、同日実施の他大学にも願書を出し、そちらを受験した。その大学には合格し、合格通知が来た。ところが件の某大学からも合格通知が来たのだ。明らかに不在証明がある。これは珍しいことである。

 彼は当然、その某大学に行きますと言う。彼の実力なら合格しただろうと思ったから、「それでいいよ。誰にもばれやしないのだから。ただし、大学に入ってからは誰にも言わない方がよい。」と言っておいた。

 その年は他にも二人ほどそういう事例があったようだ。週刊誌にそれに関する記事が載った。例の生徒の話と思しき具体例が書いてあったから、週刊誌記者にも話したのだろうと思う。
 その記事によれば、五万分の一くらいの確率で起こっていると大学関係者が言っていたそうだ。それは宝くじより確率が良い。

 この種の話は筆者の予備校講師生活の中で2回あった。まさかとは思ったが、ありうる話だ。昨年は携帯電話で情報集めをした事件もあったが、同じ部屋に居たと言う元生徒の話では、「カンニングなどやり放題ですよ。」という。監督者のやる気のなさはひどいものだそうだ。

 監督中に居眠りをする者が多いらしい。いびきがうるさくて困ったという話もある。受験生にとっては一生に一回のチャンスかもしれないのに、それを公平に処理できない大人が居ると言うことは本当に困ったものだ。
 予備校の模試の実施状況を覗き見るチャンスがあった。実に手際よく、かつ厳正にやっている。
こうであるべきだ。民間にできることが大学の教師になぜできないのかが問題だ。

ヨウ素デンプン反応

 ヨウ素デンプン反応は、一般人の認識度もかなり高く、有名な反応である。当然試験のネタとしては、基本的ではあるが極めて重要で、出現頻度も高い。

 東京神田の古本屋街を歩いて、古い受験参考書を手に入れた。昭和39年版とある。その中に昭和34年の東工大の入試問題が引用してあった。あまりにも面白くてつい買ってしまった。

①試験管中のデンプン溶液にヨウ素液を加える。その時の変化を書け。
②それを熱湯の中に浸ける。その時の変化を書け。
③それを冷水で冷やす。その時の変化を書け。

 ここまでは簡単である。
「青紫色になる。」「色が消える。」「青紫色が再生する。」の順で答えればよい。ほとんどの人が正解できるだろう。
 ところが次の問題は難しかった。

④試験管をアルコールランプで加熱して、しばらく煮沸する。それを冷やしたらどうなるか、理由と共に答えよ。

 これには参った。何かデンプンが変化することでもあるのかとも思える。ところが、意外なことに正解は、「色が付かない。」であった。
 煮沸を続けるとヨウ素が蒸発してしまうというのだ。肩すかしを受けた感じがしたが、これはなかなか良問である。

 これと同じことを料理教室でも聞いたことがある。カレーを作った後、鍋に残ったカレーをどうするかということを先生がお聞きになるのだ。誰もが「ラップを掛けて冷蔵庫にしまい、次に食するときに温めてご飯に掛けます。」と答えた。
 その先生のお答は、意表を突くものであった。
「温め直すとカレーのおいしさの元の香りが飛んでしまいます。温めたら、そこにカレー粉を一つまみ足して、さっとかき混ぜます。」

「なるほど!」と膝を打ち、それ以降実践している。いつも、残りものでも美味しく戴くことができる。

プロフィール

7obac9z0f3sv

Author:7obac9z0f3sv
FC2ブログへようこそ!

検索フォーム

ブロとも申請フォーム

QRコード

QR