共役とは

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 数学の時間に、共役複素数というものを習う。「キョウヤク」と読むのだが、困ったことに、これを「キョウエキ」と読む人もいる。実は筆者の高校時代の数学の教師がそうだった。筆者がキョウヤクと読んだら「キョウエキである。言い直せ。」と言われた。これは彼の間違いである。教養の無さが露呈してしまった。

 もともとはこの字は車偏の共軛という字を書いた。昭和22年に日本を占領していたマッカーサーが漢字を減らすように指示し、軛の字を同じ音の役にしてしまったのが間違いの元である。「軛」という字は「くびき(頸木)」と読み、牛などを二頭あるいは四頭並べて車を牽かせるときに用いる横木のことである。どう考えても「エキ」とは読めない。

 「くびきを共にす」と読み下すのだが、その意味は、牛を付けるときには左右そろえて付けねばならないから、必ずペアで存在するという意味である。掛けても足しても実数になる二つの複素数の対を共軛複素数というのである。これは英語では"conjugate" である。"con"は「共に」、"jugum"は「くびき」を表すラテン語である。

 酸塩基も共軛の酸塩基がある。この言葉は意外と正しく使われていない。上記の説明を見れば、酸と塩基がプロトン一つの脱離、結合で行ったり来たりする。片方だけしかない酸、あるいは塩基は存在しえないことが理解出来るだろう。教科書には、複素数対、酸塩基対ということばで説明すべきであると思う。

 酸が強ければ強いほど、その共役塩基は弱い。酸HAがプロトンを放出しやすいのであれば、別れて生じるA-(マイナスは上に付くのであるが、このブログのプログラムではできないのでご容赦を)が安定になる。すなわちその塩基としての能力は、小さくなる。HAのAはacid、Bはbaseを表すのは言うまでもない。もちろんこの二つの式は、表現が異なるが同じ意味である。Bがわかりにくい人は、アンモニアと考えれば良いだろう。 

 酸塩基の理解が不完全なのは、このあたりの基本的な考え方を高等学校で完璧に押さえてないからではないかと思う。酸の強さを表す序列を正しく理解できれば、色々なことが分かってくるのだ。

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軟水器の保守

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 昨年の今頃、硬水では石鹸が使いにくいという話をした。陽イオン交換樹脂を通せば、カルシウムイオン、マグネシウムイオンは簡単に吸着されて、除去される。
 もちろん電荷均衡が成り立たなければならないので、吸着されたイオンに見合う量のナトリウムイオンが放出される。すなわち、ナトリウム塩の極めて薄い水溶液を飲み、調理、洗濯に使ったりすることになる。
 先日シカゴに行ったときにホームセンタでこれを見つけて、許可を得て写真を撮った。イオン交換樹脂の再生用の塩化カリウムの結晶である。
 そのナトリウムイオンの量は、まず問題になるほどの量ではないのだが、ビジネスマンは目ざとく、このような商品を高付加価値を付けて売り込むのだ。
 
 ナトリウムイオンは高血圧の元ということになっている。確かにそうだが、味も分からないほど薄い水溶液に含まれる量は知れている。
 この塩化カリウムの結晶は、食塩に比べると数倍高価である。これを使ってイオン交換樹脂の再生はナトリウムイオンによる交換と、大差なく行われるだろう。しかしわざわざ高価な塩を使うほどのことがあるのだろうか。
 しかし「健康に良い」となると、購入意欲が増す人もいるのだろう。おそらくこの処理水1Lを飲んでもリンゴひとかじりに含まれる量ほども入っていまい。飲まずに済むナトリウムイオンの量もハンバーガの一口分に含まれるほどもないだろう。 
 袋を見ると植物の生育によいとも書いてある。この処理水を庭に撒く人が居るのだろうか。そんなことをするぐらいなら、この塩の希薄溶液を直接撒くべきだろう。塩化カリウムはそれ自身が肥料である。アメリカにはカリウム鉱山がある。アリゾナ州の砂漠の中にはカリウムを含む地層があり、掘り崩して水を撒き、それを蒸発させて結晶を作っている。ヨーロッパには塩化カリウムの岩塩がある。

 日本にはカリ資源は無いに等しい。草木灰(そうもっかいと読む)に入っているがそれから抽出する人はいない。ゴミ処理場で燃やした灰から抽出することは不可能ではないが、やらない。野菜くずや木片にはたくさん入っているはずであるが。

 
 アメリカ人はある程度の生活レベルになるとこのような軟水器を使用する。そして必要以上の頻度で食塩によるイオン交換樹脂の再生をする。本当はカルシウムイオンの残存量を調べて行うべきであるが、そんなことはほとんど誰もしない。一月に一回というような頻度で行う。
 降雨量の多い地域であればまず問題がないのであるが、砂漠地帯でこれを行うと環境破壊が進む。多くの家庭で多量の食塩を流すので、その下水流域で塩分蓄積が起こる。もともとある量をはるかにしのぐ塩分の蓄積により、結晶が析出し、塩砂漠の様相を示す。これはカリフォルニアで問題になっている。どのように解決するのかを、興味深く見守りたい。

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