いわゆる健康食品

 最近のコメントでω-3、ω-6、ω-9 の話が出てきた。(ωはオメガである。)
 このような言葉を知っている人は稀であろう。

 すると一般の人は、きっと素晴らしいことであろうと勘違いをする。というよりも、何か神秘的な感じを与えて幻惑するのである。すると買いたくなる人がいるのが現実なのである。

 佐高信の初期の本で、日本経済の裏事情を書いた本がある。今手元にないので正確な記述ではないが、このようなことが書いてあった。


…さすがに今はもう社員に唱和させるのをやめたらしいが、ある大手の広告代理店の社是にはこんなことが書いてあった。
 「不安にさせろ」「混乱させろ」「頼らせろ」「浪費させろ」……


 賢明な読者諸君はもうお分かりであろうが、この種の健康食品はこの論理に乗っている。
 まず、あなたの今の食生活は間違っていると言って不安にさせる。次いで、どうしたらよいか分からなくさせる。
 そして、いかにも素晴らしいかのように見せた商品を紹介する。というわけでつい買ってしまう人が出てくる。この社是を書いた広告会社の幹部は、その点では極めて優秀である。

 αリノレン酸というのはごく普通にあるリノレン酸のことである。αが付いているだけで高級そうに見えるらしい。ω-3というのは3個目の炭素原子の次に二重結合があるわけで、これもごく普通のリノレン酸の構造である。

 要するに普通のものを、いかにも特殊な高機能食品のように謳っている。えごま油で十分である。ごま油にも含まれている。

 必須脂肪酸であるから、摂るべきであるが、その必要量は極めて少ないことを認識すれば、買うべきかどうかは分かる。

 GABAというアミノ酸もある。これを摂取すると脳が活性化されるらしい。しかし脳の中に見つかるからと言って、摂取すれば脳に届くかどうかは疑わしい。よくわからぬ話である。
 
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エアコン室外機のファン

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 我家のエアコンはアメリカ製である。家を建てるときにダクトの材料と共にアメリカから輸入した。当時はダクト式エアコンなどほとんどなかったので、その方がかなり安かった。
 取り付け工事が終わって、スイッチを入れた。ジェット機が飛んできたと思ったら、それは自分の家のエアコンの室外機ファンの音であった。アメリカ製の電気器具はやかましいものが大半だ。アメリカで住んでいた家の冷蔵庫など、家の外からオン、オフが分かったぐらいだ。
 エアコンがやかましくても隣の家まで遠いし、どの家もやかましいので、誰も文句を言わない。日本ではそうはいかない。

 近所迷惑なので、運転を自粛し、防音壁を作った。重いコンクリートブロックで囲い、内部をグラス・ウールを張り巡らし、かなり凝った構造にした。ところがまだやかましい。どうもファンの風切り音らしい。調査してみると、フクロウが地面の野ネズミを襲う時、風切り音で気が付かれるのを防ぐため、羽根前方と胴体の前面に筋肉の力でいくつかの突起を作り、凸凹にしているという写真を見つけた。

 少々苦労して羽根を外し、ヤスリを使って細かい凸凹を付けた。取り付けて室内に戻り、スイッチを入れた。音がしない。壊れたのでは…と思い、外に出た。

 エアコンはちゃんと作動していた。素晴らしい効果である。この形状はゴルフボールの表面のディンプル(小さな凹み)と同じである。現在では、新幹線のパンタグラフにも用いられている。トヨタのセルシオのアンテナにも付いている。

 完成後、筆者はあまりの効果に嬉しくなって特許を申請しようと思った。特許に詳しい三菱重工の友人に電話して相談した。
「ああ、それね。今年からうちのエアコンにその羽根が付くよ。」と言うではないか。それはかなり有名なことで、特許にはならないそうだ。ジェットエンジンのブレード(タービンの羽根)に使えば静かになると思ったのだが、効率が下がるからダメと言う。
 
 がっくりきたが、ともあれエアコンは静かに運転できるようになった。近所の人は褒めてくれたのだが、裏返せば最初はあまりにもやかましかったのだろう。

 そのエアコンは18年使用して、本日その使命を終えた。来月早々日本製の超・静かなエアコンを取り付ける予定だ。

スパゲッティを塩水で茹でる理由

 スパゲッティを茹でる時、塩水を使う。海水より濃い塩水を使うと、表面がつるつるする。水でゆでると麺同士がくっついてしまう。

 数年前、某国の国営放送「○して△ッテン」を見ていたらスパゲッティを塩水で茹でる理由を某大学教授が説明していた。沸点上昇が起こるので茹でる温度が高くなるというのだ。冗談じゃない。直ちに受信契約を解約した。

 どう考えても沸点はほとんど上がらない。そもそも沸点上昇は、1 mol/Kg でも0.52度である。細かく計算してみても、冬に大陸の高気圧が張り出してきた時の方が、沸点は高い。

 うどんを茹でる時は表面がぬるぬるになる。その"ぬめり”を取るために、ざるの中で水で洗って、再度温めてから汁を注ぐ。うどんを海水より濃い塩水で茹でて見るとどうなるか。表面はつるつるしている。

 簡単に言えば、塩析を起こしているのである。デンプン、タンパク質を食塩が固めている。味噌煮込みも、よく似た状態であろう。塩分が高い汁の中でうどんを煮るので麺同士がくっつきにくい。これを水で煮るとくっついてしまう。

 このような話を講義でしたことがある。それから数年して、ある生徒さんから連絡を貰った。「おかげさまで入試を突破しました。」とある。
 よくよく話を聞けば、大学院入試に出たのだそうだ。ともあれ、「良かったね」と祝福した。

リサイクルの可否

 リサイクルという言葉が日本語に入って20年くらいになろうか。

 もともとは英語で、アルミニウムとか鉄屑を処理する言葉であった。1970年代のアメリカで初めて日常語として使われ始め、若かった筆者はその響きに妙な高揚感を覚えた記憶がある。

 日本では不用品を売ることもリサイクルと言う言葉で表されている。本当はリ・ユーズと言うべきだろう。

 小学校の教科書を見るチャンスがあった。「リサイクルすることは良いことだ。」と読めるように書いてある。本当にリサイクルは良いことなのだろうか。

 リサイクルは効率が悪い。最近はペットボトルをリサイクルするために、ポリエステルを加水分解してテレフタル酸とエチレングリコールに戻して、再度縮合させる方法が開発されたと報道されている。見掛け上は素晴らしいことだが、それに必要な試薬とエネルギーを考えたら、決して得なことではない。燃やしてしまった方が、エネルギー(電力など)として回収しやすい。その方が得かも知れない。

 それよりもガラスびんを洗って再使用する方が良いはずだ。ドイツではびんの形は二種類しかない。どんな商品もその二種類の容器に入れて売っている。回収はほとんど完全に行われる。びんを割るような人はいない。間違って割るとそれは大きな損失を生むようになっているからだ。

 たとえばビールを買うと、中身とびんとはほとんど価値が同じである。中身が100円だとすると、びんも100円である。飲んだ後はきれいに洗って保存し、買った店に持っていくとお金を返してくれる。町角にびんが放置されているという光景は見られない。拾うと得をするからだ。

 びんの価格が10円であったとしても、捨てる人はほとんどいなくなるだろう。このような方法は誰も損をしない方法であることは、いくつかの国で実証されている。
 これをデポジット制という。デポジットとは預かり金のことである。

 アルミ缶が燃えないゴミとして回収されているのを見るのは心が痛む。日本の様なエネルギー小国で、電力の塊のようなアルミニウムを捨てるべきではない。アルミ箔も同様だ。アルミニウムを包装材料とすることをそろそろやめるべきだと思う。アルミニウム缶が一つ10円なら、捨てる人はいないはずだ。落ちていたら誰もが拾うだろう。その種のゴミは無くなる。

 政権が変わったので、このような施策を実現することが可能になると思ったが、遅々として進まないのは残念だ。

生分解性プラスティック

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 この頃、この言葉をよく聞くようになった。要するに投げ捨てておくと、微生物によって分解されて自然に還るような合成樹脂の総称である。
 愛知万博辺りからよく宣伝されていると感じる。

 大抵は「ポリ乳酸」という物質である。徐々に加水分解されて乳酸になるが、乳酸は代謝の過程で出来るものであるから、微生物がそれを食べて二酸化炭素と水になる。
 内臓の手術用の糸はこれを使うことによって、抜糸のための再度の開腹を避けることができるようになった。ただし強度が不足するため体表部の縫合には使えない。やはりナイロン糸が強い。昔は絹糸を煮沸しながら針に付け、縫ったものだ。繊維が組織に入り込むので抜糸すると1㎜程度の大きさの穴があき、痛い思いをしたものだった。最近はモノフィラメント(一本の繊維)であって、するりと抜け、あまり出血もないし、縫った痕が分かりにくい。

 しばらく前に泊まったホテルで、こんな表示を見た。
「当ホテルは環境に配慮して、石鹸・シャンプー類はボトル入りを使用し、ゴミを減らします。また、ひげそりは錆びやすいステンレスを使用し、本体は生分解性プラスティックを使用しているため、捨てられても自然に還ります。」とあった。

 何かおかしいと感じるのは筆者だけだろうか。錆びやすいステンレスとは何だろう。普通の鋼を使えば切れ味が良く、錆びやすい。この生分解性プラスティックがどの程度分解するものかをテストをすることにした。

 庭先の日当たりがよく、雨のよく当たるところに深さ10㎝程度の穴を掘り、「カミソリの墓」を建てた。3か月ごとに掘り返して腐り具合を見たが1年経っても原型を保っていた。比較のために、もう一本を地表に、さらにごく普通のプラスティック製のカミソリも並べて地表に置いた。
 墓の中のものは、2年でようやく刃が錆びてきた。本体はざらざらしてきた。3年でもあまり変化はなく、5年でぽきりと折れた。
 地表に置いたものは紫外線の影響のせいか、両者とも急速に壊れて1年で原型がなくなった。刃の部分はどちらも同程度に錆びた。

 このテストで見る限り、生分解性のものが自然に壊れやすいというのは怪しい。ただし、壊れて出来たものが自然に大量に存在するものであるということだけが利点だ。

 愛知万博には不思議なものがあった。「食堂のコップは生分解性で、これによりゴミを減らしています。」とあった。
 何かおかしい。どうしてガラスのコップを使わないのだろう。ガラスならば洗えば元に戻るが、生分解性のコップは洗えば、表面が多少溶けて薄くなるだろう。開催後はゴミとして捨てられる。
 開催期間が過ぎた後、そのコップを手に入れたが、内部はざらざらしていた。客は薄い乳酸水溶液を飲んだということだ。

 これは事前におかしいと通告したのだが、無視して使用された。役人の頭の中は不可思議だ。

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