結露

 この季節は結露の季節である。朝起きると窓ガラスに水滴が付いている場合が多い。犬の散歩に行くと、つい、よその家の土台に目が行く。壁から水が落ちて、土台が濡れている家がある。おそらく、壁の中はびしょびしょである。結露により、構造部材が濡れて、腐敗、腐蝕が起きているであろう。近々あると予想されている大地震により、倒壊の可能性がある。

 最近の家の壁の中は断熱材が詰まっている。昔の家にはなかった。すなわち昔は壁内結露はなかった。現在の家の場合、断熱材の厚さが大きいので、壁の中には温度勾配がある。要するに、内側に近い断熱材は温かく、外に行くほど冷たくなる。

 室内は暖かく、人間が生活しているので蒸気圧が高い。ガスや石油を燃やす人もいるだろう。水蒸気は内壁材を通過するので、断熱材の中のどこかでその温度の飽和水蒸気圧に到達するだろう。するとその温度の部分で結露が起こる。水は重力に従い、外に出て土台を濡らしている。

 壁内結露を防ぐにはどうしたらよいだろう。日本でこの問題に気がついたのは1975年頃である。北海道を中心に高断熱住宅ができ始めたが、3年くらいで倒壊寸前まで腐るという事例が出てきたのだそうだ。燃料が石炭から石油に替わった時期でもある。燃料中の水素が水になるからである。石炭の場合は煙突を付けていたのでその点では水の供給量が少なかった。

 壁の内部のどこかが冷たくても、水さえ無ければよいのだ。内壁の内側に密着する不透水膜があればよい。ポリエチレンの膜を隙間なく張ってから内壁を付けるだけで良い。もちろん天井も床もこれをを敷きつめる。こんな簡単な方法があるのにそれに気がつかなかった建築業者の責任は大きいと言わざるを得ない。

 日本の温暖地域にも高断熱住宅が建つようだ。このような事例が起こる予感がある。法律でこの手の不透水膜の設置を義務付けなければならない。ちなみにアメリカでは、ほとんどの地域で義務付けられている。場合によってはミシシッピ州のように高湿度の地域では、冷房時に外の湿気が壁内結露することがあるので、壁の両側に対策をする必要もある。

 筆者の住宅は1992年に建てたが、この手の問題に対しては完璧な防護がしてある。結露が起こらないということは、室温が一定であれば室内の湿度が変化しないということである。加湿器がなくても快適な生活ができる。

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